【天使になったドン】

文・ピンキー/イラスト・みのり

猫の絵


前に住んでいた所でのお話です



うちの飼い猫ぴんきーを威嚇して、網戸にドンドンぶつかってきた大きい

男の子の猫さんがいました。(勝手にドンと名付けました)

「ドン!」と呼ぶとちゃんと返事もしてくれるようになりました。



そのうち、ドンは彼女を連れてご飯を食べに来るようになりました。

二人は仲良くいつも一緒でした。

(その子は小さかったので名前をチビとつけました。私の名前の付け方はいつも安易です)



ところがある日からチビが来なくなってしまったのです。



どうしたのかなぁ..........?と思っていたら

なんとビックリ!

それからしばらくしてドンとチビが赤ちゃん3匹を連れてご飯を食べにやって来たのです。

私に赤ちゃんを見せに来てくれたのでしょう。嬉しかった。

私がその子達を可愛がるので、ぴんきーはやきもちやいてたけど..........。



それから1年くらいはみんな一緒に来ていましたが、だんだん来る子が少なくなって、

最後はドンだけになりました。ほかの子はどこかの家の飼い猫になったようです。



ある時ドンが首に針金を巻かれ、私に助けを求めに来たことがありました。

すぐペンチで切ってあげましたが、すご〜く悲しかった。

この頃には、ぴんきーはすでに天使になっていました。



何年か経ってドンも年をとり、足元がふらつくようになり、

だんだん私のところに来る回数も減ってきました。

そしていつからかその姿を見ることありませんでした。




半年くらいたって、夢を見ました。

なぜか、ぴんきーが私を呼んで階段を上って行くのでついて行くと、

そこにドンが横たわっているのです。



「ドン!」


と声かけると顔をあげて


「あ・り・が・と・う」


と言いました。



目がさめると、私はぼろぼろと泣いていました。

やっぱりドンも天使になっていたんだね..........。



元気だった頃ぴんきーは、ドンをすご〜く怖がっていましたが、

天使になってからの二人はとても仲良しに見えました。





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