猫の絵

【故郷】


彼女は、シベリア鉄道に乗って、ナホトカを経て

この都市にやって来たと言う。

彼女を連れてきた紳士は、そこで彼女を置き去りにして、

どこかへ行ってしまったのだと言う。

知らない土地で一人残された彼女は、だけど

とても穏やかだった。

いつだって私の話しを聞いてくれた。

だから私は気が付かなかったのだ。

彼女が突然いなくなるまで・・・・・


彼女だって辛かったのだ。


故郷を思って辛かったのだ。



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