【パン屋さんになった猫】

文・徳広さん/イラスト・みのり

猫の絵



  私が まだ、高校生だった頃、クラスメートが 通学途中

真っ白な子猫をひろってきました。

あんまりかわいいので、みんな、朝、近くのパン屋さんで、牛乳を買って、

その日は、交代で、机のなかで、ひやひやしながら、授業を 終えました。

ほんとに いい子で授業中は、ぐっすり眠ってくれました。

みんなで 相談して、毎日、交代で家につれていくことになり、

5日間位、うまくいっていました。



でも、ある日の朝、ホームルームで ニャーと泣いてしまったのです。

今から思えば よくも それまで、おとなしくしてたものです。

私の机の中に、いた時だったので、もう、ドキドキ・・・。

その時、クラスのワルガキだと 思っていた男の子が ニャーと大きな声で叫んだのです!

すぐ、みんなが、ニャー、ニャーと さわぎだして・・・。



結局、先生にも、ばれてしまったのですが、

石頭だとばかり思っていた数学の関先生(本名)は、

<クラスで世話するのは、無理だから、早く飼い主をみつけて、あげなさい。

それまでは、授業中は、クラブの部室で、休み時間は教室に入れてもいいから、

先生も飼い主をさがしてみるよ>とのこと。

てっきり、おこられると思っていたんですけど、なんだか、ジワーッと うれしくなりました。



その真っ白猫ちゃんは、めでたく、学校のパン屋さんにもらわれました。

2ヶ月後、対面した時、エーッ、この子があの子ー!!っていうくらい、

まん丸の太っちょ猫に大変身してたのには、びっくりしたけど・・・。



なんか心に残ってる思い出です。




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